仲の悪い人同士の間に挟まれたら、どうする?
世の中には、職場での不満や悩み、モヤモヤすることがたくさんあるらしい。
「なんであの人が評価されるんだ?」
「なんで自分ばかり仕事をしなきゃいけないんだ?」
「この上司、どうにかならないのか?」
誰もが一度くらいは、そんなことを考えたことがあるのではないだろうか。
そんな職場の「あるある」に対して、これまで20年以上、人と組織を見てきた私なりの答えや考えを書いてみようと思う。
正解を教えるつもりはない。
あくまで、私が現場で人と接し、失敗し、考えてきた中でたどり着いた一つの答えだ。
【同僚同士なら、基本的には無視する】
同僚同士が仲が悪い。
なぜか自分がその間に挟まれてしまった。
こういう場合、私は基本的に無視する。
例えば、
「○○さんに言っておいてよ」
と言われたら、
「自分で言って」
と返す。
「○○さんって、どう思ってる?」
と聞かれたら、
「どうも思わない」
と言う。
「あの人ってさ……」
と悪口を聞かされ、同調を求められたら、
「自分で見聞きしてないから、何とも言えない」
と答える。
これでいい。
わざわざ人間関係の揉め事に、自分から入っていく必要はない。
【余計なことを言わない】
こういう場面で一番危険なのは、良かれと思って余計なことを言うことだ。
「○○さんも、あなたのこと嫌ってると思うよ」
「この前、こんなこと言ってたよ」
「実は俺もそう思ってた」
こういう一言が、話をさらに大きくする。
自分としては何気なく言っただけでも、相手にとっては重要な情報になる。
そして、その情報がまた別の誰かに伝わる。
「あの人がこう言ってた」
「○○さんがこう言ってたらしい」
こうして、どうでもよかった人間関係の揉め事に、自分まで巻き込まれていく。
だから私は、同僚同士の揉め事なら、基本的には当事者同士でやってもらえばいいと思っている。
自分で見聞きしていないことには、コメントしない。
自分に関係のないことには、首を突っ込まない。
これだけでも、かなりのトラブルを避けられる。
【迷ったら、カッコイイ方を選べばいい】
それでも、どう対応すればいいのか迷うことはある。
そんなときは、前の記事でも書いたように、
「どっちがカッコイイか?」
で決めればいい。
悪口に同調して、その場では仲間になったように見せるのか。
それとも、
「俺は自分で見聞きしてないから、何とも言えないよ」
と笑って流すのか。
私は後者の方がカッコイイと思う。
人間関係で迷ったときに、自分の中に「こういう人間でありたい」という基準があると、判断しやすくなる。
【ただし、上司と部下の板挟みは話が違う】
ここからは話が変わってくる。
上司と部下が仲が悪い。
そして、自分がその間に立っている。
これは、同僚同士の揉め事とは同じようには考えられない。
なぜなら、上司と部下では、そもそも立場が違うからだ。
持っている権限も違う。
責任も違う。
見えている景色も違う。
考えていることも違う。
これは、少し大げさに言えば、
「住んでいる国が違う人同士の価値観や文化をすり合わせる」
ようなものだと思う。
上司には上司の理屈がある。
部下には部下の理屈がある。
どちらか一方だけが完全に悪いとは限らない。
だから、ここでは単純に「関わらない」という選択ができなくなる。
【必要なのは、バランス力】
上司と部下の間に立つ人間に必要なのは、バランス力だ。
上司の言い分を理解する。
同時に、部下の言い分も理解する。
どちらかの味方になるのではなく、
「なぜ、この人はそう考えるのか?」
を考える。
そして、必要であれば、それぞれに相手の考え方を伝える。
「部長は、あなたを嫌っているわけではないと思うよ」
「ただ、あの部分を問題だと思っているんじゃないかな」
あるいは、
「部下からすると、こう感じているみたいですよ」
と伝える。
これができる人間は、組織の中で非常に価値がある。
単なる伝言係ではない。
違う価値観を持った人間同士をつなぐ役割だ。
【うまくやるのは、簡単ではない】
もちろん、どの場面においても、うまく切り抜けるのは大変だ。
言い方。
タイミング。
声のトーン。
表情。
相手との距離感。
その場にいる人間の関係性。
全部を考えながら言葉を選ばなければならない。
そんなこと、簡単にできるわけがない。
でも、うまくやるヤツはいる。
同じ職場にいて、同じような状況でも、うまく人間関係を切り抜けていく人間は確実にいる。
その横で、自分はうまくできないまま周りを批判する。
「あいつらがおかしい」
「この会社はダメだ」
「なんで自分ばかり」
そうやって周りのせいにし続けるのは、カッコ悪いと思う。
【面倒なら、さっさと出世すればいい】
人間関係が面倒なら、さっさと出世すればいい。
もちろん、そのためには我慢の時期もあるだろう。
言いたいことを言わない時期もある。
同調する時期もあるかもしれない。
それだって、ひとつの作戦だ。
自分にうまくやるだけのテクニックがないなら、練習すればいい。
発言力がないなら、立場を上げればいい。
自分の言葉に影響力を持たせたいなら、それだけの力を持てばいい。
偉くなれば、嫌なヤツを遠ざけることだってできる。
立場が変われば、見える景色も変わる。
だから、
「自分は何も変えたくない。
でも、周りには自分に合わせてほしい。」
では、なかなかうまくいかない。
自分を変えるのか。
立場を変えるのか。
それとも、今の場所でうまくやる方法を覚えるのか。
どれを選ぶのも自由だ。
ただ、何も変えないまま周りだけを批判し続けるのは、やっぱりカッコ悪い。
【板挟みになることを恐れなくていい】
人と人の間に立つのは、面倒だ。
どちらからも不満を言われることもある。
「なんであいつの肩を持つんだ」
「なんで分かってくれないんだ」
と言われることもある。
だから、できることなら避けたいと思うのも当然だ。
ただ、組織が大きくなればなるほど、こういう役割ができる人間は必要になる。
上司と部下。
経営者と社員。
現場と経営。
それぞれの立場で見えているものが違うからだ。
その違いを理解して、間をつなぐ。
これは簡単なことではない。
だからこそ、価値がある。
同僚同士の揉め事なら、無理に首を突っ込まなくていい。
「自分で言って」
「どうも思わない」
「自分で見聞きしていないから、何とも言えない」
それでいい。
でも、上司と部下の間に立ったのであれば、話は別だ。
そこには、調整する価値がある。
そして、どうすればいいのか迷ったら、
「どちらが正しいか」だけではなく、
「自分はどういう人間でありたいか」
「どちらがカッコイイか」
を考えてみればいい。
人間関係の正解なんて、そう簡単には見つからない。
だからこそ、自分の中に判断するための基準を持っておく。
それだけでも、人間関係は少し楽になる。
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