夜の世界で働く人は、とにかくギャンブル好きが多い。
どこの現場に行っても、そうだった。
ここ最近は少し減ったような気もするが、それでも多い。
俺自身はギャンブルをやらない。
でも、周りでギャンブルで身を滅ぼした人を何人も見てきた。
そして、金を貸してくれと言われたこともある。
俺は「金を貸して」と言われたら、まず一回は貸すことにしている。
もちろん、額にもよる。
少額なら、貸す。
ただし、同じ人間からもう一度「貸してくれ」と言われたら、こう言うと決めている。
「貸してもいい。
ただ、今後お前とは完全に関係を断ち切る。
それでもいいなら貸す。
いや、貸すというより、もう金をくれてやるよ。
どっちか選んでくれ」
そう伝える。
金を貸して、その後も付き合いを続けるという選択肢は、俺の中にはない。
そこで相手に選ばせる。
自分との関係を選ぶのか。
それとも金を選ぶのか。
もし、自分との関係を選んでくれたなら、それでいい。
金を借りることより、俺との関係を大事にしてくれたということだから。
逆に、金を選ぶのなら、それはそれでいい。
そこで完全に関係を終わらせる。
相手がどういう存在なのか。
自分にとって、その人との関係がどれくらい大切なのか。
それによっても答えは変わるだろう。
だから、これが正解だとは思っていない。
ただ、俺は相手に選ばせる。
金を取るのか。
関係を取るのか。
その選択で、その人が自分にとってどういう人間なのかも分かる。
金の貸し借りは、単純に金だけの問題じゃない。
その人との関係そのものを壊してしまうことがある。
だからこそ、俺は金よりも人との関係を大事にしたい。
そして、本当に大事な関係なら、
「金を貸してくれ」
というところまで追い込まれないようにしてやることも、付き合いの一つなのかもしれない。
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